映画「不都合な真実」 [今日のHappy]
久しぶりに映画を観た。
「不都合な真実」前の米国副大統領アル・ゴア氏が行ってきた地球環境保全(温暖化防止)に向けたスライド講演の模様を中心にまとめた、ドキュメンタリーだ。アカデミー賞でも長編ドキュメンタリー賞を受賞しているそうだ。
まず感じたのは、科学的データを視覚的に活用したプレゼンテーションのうまさだ。また、ゴア氏の風貌、語り口からも真剣さが伝わってきて、見終わってから思わず「自分も何かやらなければ!」という気持ちになった。これは同行した妻も同じだったようだ。
この映画でのゴア氏の主張に対しては、「氷河の縮小はナポレオン時代から続いている」とか「南極の温暖化や氷の減少、地球の海面上昇予測などに事実誤認がある」など、多くの異論もあるようだ。
しかし小生は、問題意識として「人間が自らの便利さの追求を最優先してきたこと」への反省を提起していることを評価したい。それは、地球環境の問題だけではなく、生きる(暮らす)事に「手間をかける」ことが、人の成長に必要だと思うからだ。
そしてもうひとつ、動物としての人間、自然の一部としての人間をからだと気持ちのどこかに少しでも持って生きる事の大切さを感じた。
ゴア氏は2000年の米大統領選挙で1度は勝利宣言を発しながら、フロリダ州での選挙結果をめぐる訴訟で破れ、敗北した。この選挙に関しては、民主党が優位なフロリダで、票の再集計が中断されたこと、また折しもフロリダ州知事が対立候補のブッシュ氏の実弟であったことなどから、様々な疑惑がもたれた。
それはともあれ、もしこの選挙でゴア氏が勝利していたなら、米国の温暖化対策だけでなく、その後に起こった9.11中枢テロやアフガニスタン攻撃、イラク戦争・・・など現在の世界情勢に大きな影響を及ぼしてきた事件がどうなっていただろうか。もしかしたら事件そのものがなかったかも・・・などと考えてしまう。
すでに次期大統領選挙の前哨戦が始まっているようだが、今度は米国民はどのような選択をするのだろうか。おっと、その前に私たち自身が、今の日本のありようにどのような選択をするのかを示す機会が間近にやってくる。少なくとも「民主主義とは多数決のこと」と思っているような人たちには退場してもらわなければ・・・。
「動物としての人間、自然の一部としての人間をからだと気持ちのどこかに少しでも持って生きる事の大切さ」、本当にその通りだと思います。環境問題を考えると、毎日居心地の悪さを感じながら生きているわけですが、居心地が良くてはいけないんじゃないかなあ、と最近思います。地球温暖化についてのテレビや新聞の報道が中途半端に感じるのも、現代社会の営みの本質に関わることを、きちんと伝えるわけにいかないからではないでしょうか。
by tamara (2007-07-02 20:15)