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「関西」「北海道」二つの大災害に思う~「国民の安全」とは?~ [時事雑感系]

 関西への台風襲来に続いて北海道での地震、1週間のうちに2つの大災害が起こった。どちらの地域にも「明日」という日を絶たれた大勢の方々がいる。どうにもやりきれない気持ちだ。心からご冥福をお祈りします。

 二つの大災害に際して、共通するキーワードが一つあった。「想定外」という言葉だ。・・・ん?この言葉、以前どこかで聞いたぞ。・・・そう、2011年東日本大震災の折の大津波のときによく使われていた。この時の「想定外」は巨大な防潮堤を越えて街を押し流し、原発の冷却電源を破壊して炉心溶融を引き起こした。この爪痕はいまだに全く癒されないままに残っている。

 そして今回の想定外、ひとつは滑走路の冠水や連絡橋へのタンカー衝突で機能を喪失した関西空港の、高潮対策等の課題だ。関空では埋立地に作られた施設の地盤沈下(最大3メートル以上にもなるという!)の問題もあり、高潮対策が以前から課題になっていたという。防潮壁のかさ上げで凌ぐことにしたらしいが「甘かった」ということだろう。

 北海道の想定外はさまざまあると思うが、最も多くの人たちに影響を及ぼしたのは、北海道最大の火力発電所の緊急停止に端を発した「全道停電」だろう。もっともこの発電所に多くを頼ることの危険性は認識されていたようで、来年2月にも新しい火力発電所が出来上がる運びだったという。こちらは「間に合わなかった」ということか。

 いずれにしても「想定外」というのは便利な言葉だが、これで片づけられてしまうのでは、あの東日本大震災の教訓は何だったのかと思う。あのときに「想定」を見直すことの大切さをみんなが学んだのではなかったのか。

 大きな災害が起こるたびに思うのだが、この国に住む小生たちの「安全」とは一体何か?ということだ。今この国の政治を引っ張っている政治家たちは、折に触れ「政治の責任とは国民の生命と財産を守ることだ、国民の安全・安心が大切だ」とというようなことを言って、軍事的なパワーの強化と近隣国との領土トラブルへの強気な対応を図ることが大事なような主張をするが、小生はそれより先にやることがあるのではないかと思えてならない。

 よく考えてみよう。今のこの国で、現実に最も国民の安全・安心を損なっているのはなにか?一番国民の生命と財産を奪っているのはなにか?少なくとも軍事・外交的な問題や領土問題ではないだろう。

 災害にはどうしようもなく不可抗力なものもあるに違いない。しかし東日本大震災以降は、災害の「想定」を抜本的に変えることが必要と、多くの人が思ったのではないか。そしてそういう目線で検討し、国の政策で金をかければ、防げる被害もまた多くあるのではないかと思う。

 小生は、軍事・外交や領土問題を脇に置いて、国内の災害対策だけやっていればいいなどというつもりはない。それをやったら「ジャパン・ファースト」になってしまう。しかしものごとには「大事な順番」があるのではないかということだ。

 おりしも自民党の総裁選がスタートした。この国のリーダーを選ぶ代表選挙だ。現総裁が7割~8割獲得しての圧勝と言われているし、多くの与党の議員さんたちも「勝ち馬に乗る」つもりでいるように見えるが、心からそれでいいと思っているのだろうか。もしホントにそうなのだとしたら、世間一般の感覚とは相当ずれていると思わざるを得ない。この国の将来が本気で心配になる。

 大災害ですっかりかすんでしまった感もあるが、経済政策にしろ、憲法問題にしろ、重要な争点が沢山ある。ぜひ大いに政策論を戦わせて実のある代表選をやってもらいたいものだと思う。まあ小生のような「部外者」が言うことではないのかもしれないが、国のかじ取りを心配しているのは「党員」だけではないのだから。

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