冬のバルト三国に行ってみた~その3 十字架の丘とラトヴィア:リガ~ [紀行系]
リトアニア:シャウレイの十字架の丘
カウナスのホテルを出発して向かったのは、リトアニアとラトヴィアの国境に近い町シャウレイにある十字架の丘だ。途中は相変わらずの平坦な雪景色の中を進む。高速道路沿いにあるガソリンスタンドがオアシスのようだ。
幹線道路沿いのガソリンスタンド。カフェとコンビニも兼ねている。
十字架の丘はシャウレイ郊外の全く平坦な畑の中のような場所にある。十字架の丘の起源は17〜18世紀。当時ロシア帝国の支配下に入っていたリトアニア人が、独立するために起こした蜂起の犠牲者を祀るために遺族が十字架を立てたのが始まりとされている。その後この丘には、ソ連体制による全体主義への抵抗を示すために十字架を立てるということが続けられ、途中何回もソ連による破壊を受けながら、リトアニアの独立を経て現在のような姿になったという。十字架の数は現在20万本にものぼり、増え続けているという。
十字架の丘に向けて寒風の中を歩く
ようやく丘が見えてきた
見渡す限りの十字架
十字架の丘からは間もなくラトヴィアとの国境だ。EU加盟国(シェンゲン協定)のメリットで、国境の通過には何の手続きもない。よほど気をつけていなければ、通過したことさえ意識できないだろう。国境からしばらく走り、リガの市内へ入った。
リガ市内の公設市場の建物.。かつては飛行船の格納庫だったという
リガはラトヴィアの首都で、大きな町だ。市内中心部でランチとなった。
今日のランチはサラダと白身魚のフライ、このツアーのランチは上手に組み立ててある
リガは「バルト海の真珠」と言われる海に面した都市だ。旧市街は世界遺産に登録されており、特に19世紀末から20世紀初頭にかけて建てられた「ユーゲント・シュティール」(アールヌーボー)建築が有名だ。
また、旧市街には15世紀頃の建物も多く残っており、中世に迷い込んだような街も残っている。ラトビアに現存する最も古い一般住宅の「三兄弟」や中世ギルドメンバーのパーティーホール「ブラックヘッドハウス」、大ギルドへの加入を断られた裕福な商人が、腹いせに大ギルドにお尻を向けた猫のオブジェを屋根に載せたと伝えられる「猫の家」など見どころも多い。
「リガ城」
「三兄弟」
「ブラックヘッドハウス」
「猫の家」
市内の広場ではまだクリスマスマーケットが開かれていた。ここのマーケットはヴィリニュスやカウナスと比べて遙かににぎやかだ。新年になってもクリスマスマーケットが楽しめるとは、何かトクした気分だった。
市内観光からクリスマスマーケットへとたっぷり散策したあとは、ユニークな穴蔵風のレストランへ。そして今夜の宿へ。宿では妻が学生時代の同級生と40年ぶりの再会を果たし、ラウンジの白い大きなゾウの足もとで夜の更けるのも忘れて旧交を暖めていた。(続く)
穴蔵風のレストランの入り口
内部はまさに穴蔵、光量不足で食事撮影は失敗!
ホテルのエントランス
大きなゾウのあるラウンジ
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