冬のバルト三国に行ってみた~その4 エストニア:タリン~ [紀行系]
「上の町」の展望台からタリン旧市街を望む
バルト3国ツアー4日目は、ラトヴィアのリガからエストニアへ。めざすエストニアの首都タリンはバルト海に面した城塞都市で、15世紀頃の建物が多く残っている旧市街は世界遺産にも指定されている。小生は、以前フィンランドを訪れた折に日帰りで観光に来て、大いに気に入った町だ。今回は旧市街に近いホテルに泊まってゆっくり観光できるということで、とても楽しみだ。
リガを出発、朝9時頃はまだ夜明けの風景だ
雪景色の地平線に昇る朝日
ガソリンスタンドのショップ、コンビニ並みだ
リガからタリンへはバスで4時間ほど、途中、ショップの品揃えがすごいガソリンスタンドで休憩し、タリンに到着した。思えば前回ヘルシンキからフェリーでここへやってきたときは白夜の夏、まさか冬のタリンに来ようとは思ってもみなかった。港を望むレストランで昼食を済ませ、観光に出発だ。
タリンの港に到着、大きなフェリーが着岸している
港で見かけたすごいリムジン
港に面したレストランは北欧らしいシンプルさ
見事にグリーンな「グリーンサラダ」&チキンのお皿、どうもこちらの料理はビジュアルが似通っている
タリンは、城や貴族:支配層の住居などがあった「上の町」(トームペア地区)と商業地区の「下の町」に分かれている。上の町に鎮座する「アレクサンドルネフスキー大聖堂」から市内観光にスタートした。
アレクサンドルネフスキー大聖堂はロシア正教の教会
教会の前がトームペア城、現在は国会議事堂だという
トームペア城の望楼。「のっぽのヘルマン」と呼ばれている
「のっぽのヘルマン」に翻るエストニアの国旗
エストニアの国旗は「青・黒・白」の三色旗だ。青は空、黒は大地、白は雪を表すとともに、黒はこの国の暗黒時代の悲しい歴史を、青は希望、友情、団結を、白は明るい未来とその発展を表すといわれている。北欧らしい色合いではあるが、ちょっと寂しい感じを受ける国旗だ。
「上の町」の街路、EU旗が掲げられている建物は、公的機関だという
「上の町」でいちばん狭い通り。中世の頃、女性のスカートが大ボリュームだった時代には、すり替えができず、トラブルのもとになったという
狭い通りを抜けると下の町を見下ろす展望台に出る。教会の塔、赤い瓦のとんがり屋根、港まで一望だ。中世の王や貴族たちは、こうして庶民の暮らしを眺めていたのだろうか。
「上の町」と「下の町」を隔てる城壁
「上の町」と「下の町」は城壁で隔てられている。石畳の道を下って「下の町」へ向かった。「下の町」の中心には「ラエコヤ広場」があり、1月に入っているにもかかわらずクリスマスマーケットが開かれていた。聞けば1月7日がロシア正教のクリスマスなのだとか。ロシアとお隣のバルト三国にはロシア系住民が多いため、小生たちが訪れた日はちょうどクリスマスイブにあたっていたらしい。エストニアのクリスマスマーケットはリトアニア、ラトヴィアと比べてお店も人でも多く、とてもにぎやかだ。正月にヨーロッパのクリスマスマーケットを体験できて、とてもトクした気分になった。
ラエコヤ広場のクリスマスマーケット、塔のある建物は13世紀に建てられた「旧市庁舎」塔の高さは60メートル以上あるという
夜が更けるまで賑わっていた
クリスマスマーケットを楽しんで、今夜の夕食は初めての「自由食」マーケット近くの路地にあるビアレストランでいただいた。サラダとサーモンのグリル、焼きソーセージというというメニューで、たっぷりワインもいただいて、満ち足りた気分でホテルに戻った。ほろ酔い気分での帰り道、ライトアップされた「聖ニコラス教会」(たぶん・・・)の塔が夜空にそびえていた。
5日目、最後の1日だ。今日の昼には宿を発ってタリン空港へ、ヘルシンキ乗り換えで日本に向かう。貴重な半日なので、宿から歩いて行けるラエコヤ広場付近に買い物にでかけた。
ホテルはトームペア城の真下、便利な場所だ
城壁を通って下の町へ
上の町と下の町をつなぐ連絡路「短い足」、なだらかな「長い足」もある
下の町の朝、正面は「聖霊教会」(たぶん・・・)
おみやげ屋に並んだマトリョーシカ、ロシアに近いことを感じさせる
タリン空港からヘルシンキへはまたプロペラ機で向かう。日本ではあまりみかけないが、こちらでは近距離ではプロペラ機がよく使われているようだ。雲の上の夕日を眺めているうちに、1時間もかからずにヘルシンキ、ヴァンター空港に到着した。
ヘルシンキ、ヴァンター空港に到着
ヘルシンキから成田は所要時間9時間30分、ほぼシドニーと同じだ。「日本から一番近いヨーロッパ」というキャッチフレーズだが、たしかにパリ、ロンドンなどに比べて2時間以上も短いのは魅力だ。帰路は夜行便のため、一眠りしているうちに成田に到着してしまった。
雪のない成田空港に到着
初めての冬の北欧、一体どんな装備で臨めばいいのかと悩んだが、意外や意外、外の気温は一日中マイナスの寒さでも屋内は別天地、Tシャツ1枚で過ごせる世界だ。以前、北海道の人が「群馬の冬は寒い」と言っていたのを思い出した。要するに家屋の構造や暖房設備が違うということなのだが、北欧でも同じ事が言えるようだ。結局ホテルで使おうと持参した厚手のものは、全く使わずじまい。まあこれも勉強だった。
今回の、小生にとっては珍しい「添乗員・ガイド付き、観光・食事付き」のツアーは、まったくラクチンで「もうそろそろこんな旅行もいいなあ・・・」などと感じてしまったバルト三国の旅だった。(おわり)
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