SSブログ

森友問題は再燃しないのか?~近畿財務局職員の「手記」公開~ [時事雑感系]

 森友事件で文書改ざんを強要され、自ら命を絶った、近畿財務局職員の赤木さんの「手記」が公開されて、大きな反響を呼んでいる。また今日(3月26日)には、週刊文春が続報で、「8億円値引き」に関する赤木さんの上司の告白を取り上げた。いずれの記事も、NHK時代に森友問題のスクープを報じたことで記者の職を奪われ、現在大阪日日新聞の記者として活躍している相澤冬樹氏によるものだ。

 「手記」が公開されたことで、この問題が一気に再燃するのではないかと期待したが、現実はまったくそうはなっていない。国会での野党の追及に、安倍総理も麻生副総理・財務大臣も「再調査の考えはない」の一点張り、これには手記を公開した赤木さんの奥さんも「この2人は調査される側で再調査しないと発言する立場にないと思います」とのコメントを出した。全くもってその通りだ。そもそもこの二人、人の命の重さに全く思いが至っていないような態度だ。一国のトップにある者が、人として最も重要な資質を持ち合わせていないとしたら恐ろしいことだ。

 この問題についてのメディアの対応にも不満だ。小生が知る限り、「手記」を公開した週刊文春の発売当日、日テレの朝のワイドショーで、相澤氏生出演での長時間の特集が組まれたくらいで、その後力の入った報道が見受けられないように思える。折からコロナウィルスの蔓延と重なった上、東京五輪の延期も決定した状況で、これらが話題の中心となるのは仕方ないことではある。しかし、「手記」を掲載した週刊文春が53万部を売り上げ、2年半ぶりの完売となるなど、人びとの関心は高いはず。あまりの扱いの小ささに驚くばかりだ。各放送局に何らかの力が働いたのではと考えてしまう。

↓3/19発売週刊文春の「手記」に関する記事は現在こちらで全文公開中。
https://bunshun.jp/articles/-/36818

 「手記」を公開し、国と当時の理財局長だった佐川氏を訴えて裁判を起こした、赤木さんの奥さんの目的は「なぜ夫が自殺に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経過を明らかにしたい」ということだ。それまで築いてきたご主人との幸せな暮らしが、なぜ突然奪われることになってしまったのか、奥様には無念でたまらないことだと思う。必ずその目的が達せられることを願わずにはいられない。

 また、もう一つ、この問題で納得できないのは、8億円もの値引きが行われたことの正当性の問題だ。この事件の発生当時、「ゴミ」の撤去に関してはその「量」や「撤去作業の実態」等について様々な情報が飛び交い、8億円もの値引きにあたるようなゴミが本当にあったのか?という疑問が投げかけられたが、結局何も明らかにされないままにうやむやになってしまった感がある。考えてみれば、国有地は国の、つまりは国民の財産だ。国民の財産を不当に安く処分したとしたら、これは国民に損害を与える行為だ。この点からもこの問題を明らかにしていかなければならない。

↓3/26発売週刊文春の「8億円値引き問題」の記事はこちら。
https://bunshun.jp/articles/-/36823

 赤木さんの奥さんは、裁判を起こす前に相澤記者とともに佐川氏の住む町を訪れたという。そしてこう話したという。
「佐川さんもこの家に住むご家族も、もう幸せではないんでしょうね。何だか佐川さんもかわいそう…」
「森友(事件)に巻き込まれた人はみんな不幸になっていますよね」

 まったくそのとおりだ。奥さんのこういう思いに応えるためにも、この問題がなぜ起こったのか、何がなされてきたのか、事実を知る人びとにぜひ口を開いてほしい。そのためには、財務省の内部調査ではなく、第三者委員会を設置しての徹底した調査が必要だ。また、すでに「全員不起訴」という結論を出した検察当局にも再度の捜査を求めたい。さらには、この問題については会計検査院の検査も入っているという。常識では考えられないような値引きが行われた事案だ。いったいどこに目を付けて検査をしていたのか。再度の検査をしっかり行ってもらいたい。今度はいいかげんな資料で済まさずにだ。

 小生は、この問題は、加計学園問題とともに行政にとって最も大切な「公正と公平」が損なわれた典型的なケースだと思っている。「コロナ」や「五輪」はもちろん重要な問題だが、「まっとうな政治」や「フェアな行政」にかかわるこの問題が、どさくさに紛れて闇の中に葬られてしまうことがないよう、各メディアはしっかり、そしていつまでもしつこくとりあげてほしいものだ。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。