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「暑い」たたかい~草刈り日記~ [今日のHappy]

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自宅近くの風景、晴れれば浅間山が一望


 北京では連日、各種目で熱いたたかいが繰り広げられているようだが、スポーツをあまり見ない小生はこの夏、週末のささやかな「暑いたたかい」を続けている。草とのたたかいだ。

 小生が住んでいるところは、群馬県西部の小さな町、といっても町並みをはずれた高台の農村地帯だ。台地状の一帯は古来、半島からの帰化人が多く住んだと伝えられ、古墳群などもあるような場所だ。この土地の生まれである妻の実家は農家であり、付近に田畑を所有しているのだが、妻の父も寄る年波にはかなわず、耕作できる土地が徐々に減り、結果、休耕地が増えてしまった。この草ぼうぼうになった畑が、小生の「たたかい」の舞台だ。

 小生は、田舎の生まれではあるが、勤め人の家庭に育ったため農業系の経験はほぼない。もちろん大規模な草刈りなど、これまでまったくご縁はなかった。しかし、日に日に丈を増していく「セイタカアワダチソウ」やらなんやらのあまりの勢いの良さに、「このままではえらいことになる」と危機感を感じ、生まれて初めての草刈りにとりくむ決心をした次第だ。

 決心はしたもののノウハウは全くない。刈り払い機(いわゆるビーバー)は、義父が持っているのでそれを借り出し、ぶっつけ本番で、いざ草の茂みに挑んだ。ビーバーを操作している人を近所ではよく見かけるが、なんだか「こともなげ」に草を刈り取っているように見えていた。ところが・・・「見る」と「する」のとでは大違い、これがなかなか大変なことなのである。高さ2メートルを超えるセイタカアワダチソウは、もはや草というにはあまりにも頑丈で、むしろ木に近い代物だったのだ。

 刃の当て方やエンジンのふかし具合などわけもわからないで力任せに機械を振り回して刈ったが、折しもの猛暑も手伝って1時間ほどでほとほと疲れ果ててしまった。刈り取った面積はおそらくわずか数十坪程度、これでは先行きどうなるのか・・・なにしろ刈らなければならない畑は約2反歩(600坪)が2枚もあるのだ!

 がっかりしていても仕方ないので、一息入れてまたひたすら刈り続ける。そうこうしているうちに、だんだん要領がつかめてきて、動きもリズミカルに・・・それとともに肩の力も抜けて無駄な動きも少なくなって・・・予定していた半日の作業を終えることができた。そんなこんなで、3~4時間の作業をその後3回くり返して、ようやく約2反歩を刈り終え、いままた次の2反歩に挑戦中だ。どうやらこの夏を通して、週末のメイン行事は「草刈り」ということになりそうだ。

 かねてより、小生、「退職後は多少は農業でも」などと軽く考えていたのだが、その農地を維持するための最初の入り口でこんな状況だ。これからは簡単に「農業でも」などとは到底言えないと思った。また、それとともに、四季とともに生き、土から作物を生み出す営みを黙々と続けている農業者をほんとうに「えらい」と感じた。

 食料自給率の向上や食の安全の確保には地産地消のとりくみが重要だといわれている。しかしそれを支えていくためには、「きびしい仕事」である農業に従事する人が、「暮らしていける」しくみの構築がなされなければならない。そのためには政策的な支援と同時に消費者サイドの理解・協力が不可欠だと思う。廉価や便利を優先する消費者の行動が変わらない限り、農業の問題は解決しないのではないか・・・35度を超える気温の中、刈り取った草の青臭い臭いに包まれて、そんなことにも想いを馳せた。マホービンのよく冷えた麦茶でのどを潤すひとときには、普段の仕事では決して味わえないHappyを感じた。

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  2枚目の畑、だいぶ刈ったがまだ半分か・・・

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