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滅入った気分は映画で解消!~レ・ミゼラブル~ [今日のHappy]

 お正月になったと思ったのもつかの間、もう2月がすぐそこだ。まあ、人にとって時間の過ぎる速度は「年齢km」だというから、小生などもはや普通車の法定速度に近いスピードで走っているわけで、日が経つのが速いのもやむを得ない。しかしこれから更に速くなるのかと思うと、ちょっとオソロシイ気がする。

 さて、年末の総選挙では小生は相当がっかりしたが、その後も世間では、小生的には「気にくわない」ことばかりが続いていて、ブログを書くのがおっくうになってしまったのもひとつにはそのせいだ。

 まず、アベ内閣の目玉として打ち出された「アベノミクス」だ。なんでも物価上昇率を2%に設定して金融緩和や公共投資、日銀の国債買い取りなどなどの政策を行い、デフレからの脱却をめざす・・・というものらしいが本当にだいじょうぶなのだろうか。

 これが打ち出されてから円安が進み、株価も上がっているらしいが、そもそも円安がいいことづくめとは小生には思えない。たしかに輸出製品は「安く」なるから国際競争力が上がるというが、逆に輸入するものは高くなるわけで、エネルギーも食料も輸入に頼っている現実の中で、生活者レベルとしてはどうなんだろうか。更に物価も上昇させ、消費税まで増税(消費税増税だって物価高だ!)するとなれば、素朴に考えれば「生活直撃」ではないのかと思ってしまう。

 デフレから脱却して経済を成長させ、企業を元気にして雇用を生み出し、賃金上昇にも結びつける・・・というのがバラ色のシナリオらしいが、そんなにうまくいくものだろうか?かつて「イザナギ超え景気」と言われた2000年代前半の「好景気」でみんなの生活が良くなった実感があったろうか。小生には「企業肥えて、民細る」ものだったように思える。

 税制改革の一環として打ち出された「富裕層増税」や「相続税の課税強化」などについても、いったいなんなのだろうかと思う。「富裕層増税」では最高税率を5%上げて45%にするのだそうだが、その課税所得額は4,000万円以上なのだそうだ。小生の感覚ではこの年収は相当大金持ちだと思うが、そういう人でもこの程度の税率だったのかと、逆に驚いた。やっぱりこの国は金持ちに優しい国らしい。

 また「相続税」では最高税率を55%に引き上げるというが、その相続額たるやなんと6億円以上!!なのだそうだ。そんな金持ち、少なくとも小生は見たことない。手元に残るものを考えれば、もっと上げたってかまわないと思うがどうだろう。

 この「改正」の一環で、相続税の基礎控除の引き下げも行われるという。こちらはこれまで相続額6,000万円以上にかかっていた税金を3,600万円以上に引き下げるのだという。これによって相続税がかかる人の割合が上がって40%以上になるのだそうだ。これでは結局大金持ちにろくに手をつけないで「中金持ち」や「小金持ち」から搾り取る話ではないのかと思ってしまう。

 さて、前置きがめちゃくちゃ長くなってしまったが、ここからが今回の本題だ。

 アベさんの政策だけでもこんなに気にくわないことがあった(というより、気にくわないことばかりだった)が、あまりこういうことばかり考えているといいかげん気持ちが滅入るので、たまにはちょっと気分転換を図ろうと映画に行ってみた。勤め先の健康診断(いわゆる人間ドック)が早く終わった日、ちょうど近く「レ・ミゼラブル」をやっていたのだ。

 「レ・ミゼラブル」はミュージカルがあまりにも有名で、めったに劇場に足を運ばない小生でさえ3回は見ている。そのうちの1回は友人の結婚式に合わせて訪れたロンドンの劇場で見たが、これはまあたいへんなことだった。アヤシイみやげ屋で売っていた結構いい値段のチケットを持って劇場に行ってみると、指定された席は劇場最上部で、まるで屋上から中庭を見下ろしているよう。客席の傾斜がものすごくて、転げ落ちるのではないかという恐怖さえ感じる状況で、どうにも舞台に集中できなかった。それでも感動的なラストシーンとすばらしい歌が印象に残っている。

 さて、映画の「レ・ミゼラブル」だが、こちらは「画面が映画」の完全なミュージカルだった。次々と唄われるおなじみの歌でストーリーが進行するが、画面は迫力に満ちた映画そのものだ。むしろ舞台で見るよりも俳優の演技や情景の細かなニュアンスが感じ取れ、これはこれで「あり」だな・・・と思った。

 役者さんはいずれも素晴らしかったが、中でもファンテーヌ役のアン・ハサウェイの素晴らしい歌とエポニーヌ役のサマンサ・バークスの内に秘めた役柄の演技が光っていた。また、何と言ってもストリートチルドレンのガヴローシュ役のダニエル・ハトルストーンは素晴らしかった。バリケードで命を落としたガヴローシュの胸に警察署長ジャベール(ラッセル・クロウ)が自分の勲章をそっと外してつけてやるシーンにはグッときてしまった。

 学生たちの蜂起は結局実を結ばず悲しい結末を迎えるが、ラストシーンでは「夢のバリケード」が再現される。ここで唄われる歌は映画館を出てからも耳に残って離れなかった。どうも小生は、名も無い民衆が力を合わせてなにかを成し遂げようとするシーンに弱いようだ。ここでもまた、めったに出てこない水分を分泌してしまった。

 どちらかというと「楽しいことの少なかった」今年のお正月も、さいごにいい映画で締められてなんとなくいい気分だ。「終わりよければすべて良し」・・・ちょっとhappyだった1日の終わりに、来月は少しはいい月になるように祈ってみた。 
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